情シス業務のアウトソーシング17選を完全ガイド
メリット・デメリットから選定ポイントまで徹底解説

目次
はじめに
近年、企業の情報システム部門(情シス)における業務負担の増加やIT人材の不足が深刻化しています。これに伴い、情シス業務のアウトソーシングが注目を集めています。本記事では、情シス業務のアウトソーシングについて、その概要とアウトソーシング先の紹介、メリット・デメリット、選定ポイントなどを詳しく解説します。
情シス業務のアウトソーシングとは
情シス業務のアウトソーシングとは、企業の情報システム部門が担う業務の一部または全部を、外部の専門業者に委託することを指します。これにより、企業は自社のリソースをコア業務に集中させることが可能となります。
アウトソーシング可能な情シス業務
情シス業務の中で、アウトソーシングが可能な主な業務は以下の通りです。
1. デジタル機器の設定(キッティング)
PCやスマートフォンなどのデジタル機器の初期設定やソフトウェアのインストール、データ移行などを外部に委託することができます。特に、入社や異動の多い時期には業務量が増加するため、アウトソーシングによる効率化が期待されます。
2. システム構築・保守
システムの構築から運用・保守までを外部に委託することが可能です。フルアウトソーシング、運用アウトソーシング、常駐サービスなど、企業のニーズに応じた形態があります。
3. セキュリティ対策
ネットワークのセキュリティ対策やウイルス対策ソフトの導入、パスワード管理など、情報セキュリティに関する業務もアウトソーシングの対象となります。
4. カスタマーサービス、ヘルプデスク業務
社内外からの問い合わせ対応やトラブルシューティングなどのヘルプデスク業務を外部に委託することで、情シス担当者の負担軽減が図れます。
情シス業務アウトソーシング17選
情シス業務の代行、アウトソーシングを行っているサービス17社をピックアップしました。情シス業務のアウトソーシングを行う際の選定候補としてご活用ください。
1. ジョブシスさん
「ジョブシスさん」は、情シス・ヘルプデスクのオンサイト(常駐)に特化したアウトソーシングサービスです。PC設定やトラブル対応、システム運用、社内インフラ管理など幅広い業務に対応し、属人化を防ぐ複数名体制での常駐支援を行います。契約期間は1か月単位から柔軟に設定可能で、業務内容や稼働日数に応じた見積もりが提供されます。担当者の急な退職時にも迅速な対応が可能で、情報セキュリティにも配慮した運用体制が整っています。
2. 情シス代行パック
「情シス代行パック」は、エイネット株式会社が提供する中小企業向けの情報システム業務アウトソーシングサービスです。月額40,000円から、PC不具合対応、アカウント管理、セキュリティコンサルなど20以上の業務を、自社エンジニアが遠隔またはオンサイトでサポートします。定例ミーティングや豊富なオプションも用意され、専任情シスがいない企業のIT運用を効率化します。豊富な導入実績があり、安心して利用できます。
3. 社内ヘルプデスクBPOサービス
キューアンドエー株式会社の「社内ヘルプデスクBPOサービス」は、企業の情報システム部門の負担を軽減し、コア業務への専念を支援するアウトソーシングサービスです。PCやシステムの操作案内、トラブル対応、在庫管理、マニュアル作成、ネットワークセキュリティ対応など幅広い業務に対応し、リモート操作や訪問対応も可能です。CRMを活用した問い合わせの可視化とナレッジ蓄積により、業務の効率化と標準化を実現します。25年の実績を持つ同社が、企業のIT運用を包括的にサポートします。
4. KICK OPS
「KICK OPS」は、KICK ZA ISSUE株式会社が提供するクラウド型の情シス代行サービスです。月額固定制で、インフラ管理、セキュリティ対策、システム運用、IT資産管理、ユーザーサポート、システム導入など、企業の情報システム業務を包括的に支援します。また、DXコンサルティングやAI・RPAによる業務自動化にも対応し、企業のIT戦略を総合的にサポートします。初月無料のキャンペーンも実施中です。
5. 情シスサポートサービス
アイチーム株式会社の「IT企画サービス」は、クライアントのITビジネスにおける企画段階から参画し、経営戦略との整合性、課題解決、費用対効果、実現可能性などを総合的に検討し、最適なIT企画を立案するサービスです。また、同社のスタッフがクライアントの社内に常駐し、要件定義やRFP作成などの現場支援を行い、プロジェクトの成功と期待効果の実現を支援します。
6. Kaetec
Kaetec(カエテク)は、ジェイズ・テクノロジー株式会社が提供する、企業の情報システム部門(情シス)を支援するトータルソリューションサービスです。経験豊富なITスペシャリストが、IT設備や情シス業務の課題を抽出し、改善を実現します。サービス内容には、情シス適正調査、Microsoft 365/Google Workspace運用、業務用ツール運用、パソコン総合運用、ネットワーク/サーバー運用、コンサルティングなどが含まれ、企業のDX推進をサポートします。
7. フレクシーサポート
フレクシーサポートは、フレックシステムズ株式会社が提供する中小企業向けの情報システム代行サービスです。社内IT業務をリモート中心に代行し、緊急時には訪問対応も可能です。主なサービスには、ヘルプデスク、キッティング、アカウント管理、保守運用、IT資産管理、IT相談・アドバイス、セキュリティ教育などが含まれます。月額1万円からの定額制で、ISMS認証取得済みのセキュリティ体制を備え、業務改善や社内チームとの連携にも対応しています。
8. リズムプラス
DTSが提供する「ReSM plus(リズムプラス)」は、社内ヘルプデスク業務をアウトソーシングし、専用のFAQシステムと有人対応を組み合わせたサービスです。ITサポート経験豊富なオペレーターが電話やウェブフォームでの問い合わせに対応し、よくある質問はFAQとして社内に公開。これにより、従業員の自己解決を促進し、問い合わせ業務を最大80%削減します。FAQの初期作成から更新までを支援し、ナレッジの蓄積と活用を実現します。
9. 情シス特化型運用支援サービス
SHIFT株式会社が提供する「情シス特化型運用支援サービス」は、企業の情報システム部門(情シス)の業務を包括的に支援するアウトソーシングサービスです。アカウント管理や社内問い合わせ対応、機器手配などの定常業務から、社内インフラやセキュリティの設計・開発、さらには中期IT計画の策定などの上流工程まで、幅広い業務をカバーします。SHIFT独自の標準化・仕組化メソッドを活用し、業務の効率化と組織変革を支援します。これにより、情シス部門は「守り」から「攻め」へと進化し、経営活動や知的生産性の高い業務に集中できる体制を構築します。
10. Shied
株式会社SHIELDが提供する「SHIELD」は、企業の情報システム(情シス)業務を包括的に支援するアウトソーシングサービスです。ヘルプデスク対応、IT資産・アカウント管理、ネットワーク・サーバー保守などの実務から、情報セキュリティポリシー構築、ISMS認証取得支援、業務フロー再構築、DX推進のPMO支援まで、経営戦略に基づいた上流工程のコンサルティングも提供します。ISMS審査員資格を持つ専門家が在籍し、セキュリティと業務効率化を両立させる柔軟な支援が特徴です。料金は月額20万円からで、企業規模やニーズに応じた最適なプランを提案します。
11. ITセクレタリィBiz
「ITセクレタリィ®BIZ」は、N&Iシステムズが提供する情報システム業務のアウトソーシングサービスです。IT知識を持つ秘書と経験豊富なSEが連携し、業務の棚卸しや課題の見える化から、効率化・標準化・脱属人化までを支援します。人手不足の解消や業務の最適化を通じて、企業のIT部門の生産性向上を実現します。
12. IT Concierge
「ITコンシェルジュ」は、チェックフィールド株式会社が提供する、企業の情報システム部門を支援するアウトソーシングサービスです。専任の担当者2名が、IT運用のアドバイスからヘルプデスク対応、サーバー・ネットワーク保守、キッティング、IT資産管理、セキュリティ対策まで幅広くサポートします。リモート対応を中心に、必要に応じて定期訪問や緊急時の出張対応も行い、属人化や退職リスクを軽減し、企業のIT運用を効率化します。1999年の創業以来、20年以上の実績を持ち、プライバシーマークも継続取得しています。
13. PCネットワークサポート
株式会社バルテックが提供する「PCネットワークサポート」は、企業の情報システム業務を包括的に支援するサービスです。月額30,000円から、PCトラブル対応、ヘルプデスク業務、キッティング、データ移行、ネットワーク監視、IT資産管理などをサポートします。電話・リモート・オンサイト対応が可能で、全国200カ所以上の拠点を活用し、迅速な対応を実現します。また、Windows11へのアップグレードやIT資産管理ツールの提供など、企業のIT運用を効率化し、情シス担当者不在の企業でも安心して利用できます。
14. 情シスSourcing
「情シスSourcing」は、ハイブリィド株式会社が提供する、情報システム業務に特化したアウトソーシングサービスです。企画、開発、運用・保守など、情シス全領域をカバーし、小規模なタスクから柔軟に依頼可能です。料金は、1チケット(4時間相当)19,800円からのチケット制と、月額固定制のプランが用意されており、必要な時に必要な分だけ利用できます。大手企業から中小・ベンチャー企業まで、多様な支援実績があり、情報システム部門の組織機能強化と業務改善を支援します。
15. IT マネジメント運用・管理保守サービス
PROSZETのITマネジメントサービスは、企業の情報システム業務を包括的に支援するアウトソーシングサービスです。IT戦略の立案からシステム運用・保守、セキュリティ対策、IT資産管理、ヘルプデスク対応まで、幅広い業務をカバーし、企業のIT部門の効率化と生産性向上を実現します。また、リモート対応やオンサイト対応など、柔軟なサポート体制を提供し、企業のニーズに応じた最適なIT運用を支援します。
16. 情シスSAMURAI
クロス・ヘッド株式会社が提供する「情シスSAMURAI」は、企業の情報システム部門(情シス)の業務を包括的に支援するアウトソーシングサービスです。ヘルプデスク対応、アカウント管理、PCキッティング、システム運用、業務改善支援、IT企画など、多岐にわたる業務を専門チームが迅速かつ的確に対応します。最短2週間で業務引き継ぎが可能で、属人化の解消やドキュメント整備を通じて、情シス部門の負担軽減と業務効率化を実現します。また、クラウド化支援やセキュリティ強化、DX推進など、企業のIT戦略を総合的にサポートし、経営課題の解決に貢献します。
17. TEKWIND- DaaS
テックウインド株式会社が提供する「TEKWIND-DaaS」は、PCやサーバー、タブレットなどのIT機器を月額定額で利用できるサブスクリプション型サービスです。機器の選定から初期設定、設置、保守、サポートまでを一括で提供し、企業の情報システム部門の負担を軽減します。ISO9001認証を取得した自社工場でのキッティングや、遠隔サポート、故障時の先出し交換対応など、手厚いサポート体制が特徴です。また、資産管理の手間を省き、オフバランス化を促進することで、経営効率の向上にも寄与します。初期費用無料で、月額4,500円から利用可能です。
情シスアウトソーシングサービスの選定ポイント
情シスアウトソーシングサービスを選定する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。
1. 対応可能な機器やソフトの範囲
自社で使用している機器やソフトウェアに対応しているかを確認することが必要です。
2. IT機器の導入や運用管理への対応
キッティングやアカウント運用など、IT機器の導入から運用管理まで対応しているかを確認しましょう。
3. IT資産管理業務への対応
IT資産の管理やライセンスの管理など、資産管理業務への対応状況を確認することが重要です。
情シス業務をアウトソーシングするメリット
情シス業務のアウトソーシングには、以下のようなメリットがあります。
1. システム環境の安定稼働
専門知識を持った外部スタッフが迅速かつ適切に対応することで、システムの安定稼働が期待できます。
2. 人材リソースの集中化
情シス業務を外部に委託することで、社内の人材リソースを戦略的な業務に集中させることが可能となります。
3. 業務の属人化の解消
特定の担当者に依存することなく、業務の標準化やマニュアル化が進み、属人化のリスクを軽減できます。
4. コスト削減
人材確保や教育にかかるコストを削減できるほか、業務の効率化によるトータルコストの削減が期待されます。
情シス業務をアウトソーシングするデメリット
一方で、アウトソーシングには以下のようなデメリットも存在します。
1. 業務整理の必要性
アウトソーシングを実施する前に、業務フローの整理やマニュアルの整備が必要となります。
2. 費用対効果の見極めの難しさ
サービス内容や費用が業者によって異なるため、適切なサービス選定が求められます。
3. ノウハウの蓄積が困難
外部に業務を委託することで、自社内にノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。
4. 品質管理の難しさ
業務の品質を直接管理することが難しく、外部業者との連携や監督が重要となります。
5. ベンダーへの依存
特定の業者に依存することで、将来的な業者変更が難しくなるリスクがあります。
アウトソーシング成功のためのポイント
情シス業務のアウトソーシングを成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
1. 自社の課題を明確にする
業務内容を洗い出し、外部に委託すべき業務と内製すべき業務を明確に区分することが必要です。
2. 長期的な計画を立てる
将来的な内製化を視野に入れ、アウトソーシング先からのノウハウ共有やマニュアル整備を進めることが重要です。
3. 予算の上限を設定する
予算を明確に設定し、コスト管理を徹底することで、費用対効果を最大化できます。
4. 複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や費用を比較検討することで、最適な業者を選定できます。
5. トラブル対応の取り決めを行う
トラブル発生時の対応方法や報告手段、追加費用などについて、事前に取り決めを行うことが重要です。
6. セキュリティ面の取り決めを行う
機密保持契約(NDA)の締結や情報管理の取り決めを行い、情報漏洩のリスクを軽減することが求められます。
まとめ
情シス業務のアウトソーシングは、企業のIT運用を効率化し、コスト削減や業務品質の向上を実現する有効な手段です。しかし、アウトソーシングにはメリットだけでなくデメリットも存在するため、慎重な検討と適切な業者選定が求められます。本記事で紹介したポイントを参考に、自社に最適なアウトソーシング戦略を構築してください。